からだに刻んでゆく勉強が大事
宮沢賢治
「雨ニモマケズ風ニモマケズ」でお馴染み、宮沢賢治の言葉である。
詩人、童話作家、農業指導者、音楽家など、多才な賢治も37歳の若さでこの世を去った。
残された数多くの作品は、今なお世界中で愛され、読み継がれている。
「からだに刻んでゆく勉強」を、あえて説明する必要はないだろう。
頭ではなく、体でおぼえる。
体に記憶させるのだ。
江戸期の子供たちは四書五経をすらすらと暗唱した。
意味を知ることもなく。
そのときが来ると、目の前の霧が晴れるように意味がわかるという。
体が記憶するとは、そういうことだ。
体に刻まれた記憶は、時間を経ても色褪せるどころか、くっきりとその輪郭をあらわし必要に応じて形となる。
「学ぶ」は「まねぶ」から派生した言葉。
手本を何度も何度も繰り返し体に刻み込んでゆくことで、学んだことは生きてくる。
人の一生が学びだとするならば、雨にも負けず、風にも負けない学力を身につけたい。
(170314 第295回)