困難だから、やろうとしないのではない。やろうとしないから、困難なのだ
セネカ
ユリウス・クラウディウス朝時代のローマ帝国に生きたルキウス・アンナエウス・セネカ。政治家であり哲学者であり、また詩人でもあった彼の言葉である。著書『人生の短さについて』はよく知られているし、哲学者の金言が好きな人ならこの言葉は馴染みがあるかもしれない。
人は概して言い訳をする生き物である。
「いや、自分は言い訳なんてしないよ」という人だって、その実わかったものじゃない。
村上春樹も言っているように、しようと思えばトラック一杯分ほどの言い訳なんて誰にでもある。
困難そうに見えることなら、なおさらだろう。
しかし、なにも行動しないうちから困難と決めつけてしまうのはいかがなものか。
それはもう、どんなに簡単なことですら困難なものに成り果ててしまう。
もちろん、経験のないことに不安はつきものだ。それはしかたない。
けれど、スタートはみんな同じ。
ビル・ゲイツもスティーブ・ジョブズだって、未経験時代はあったのだ。
やるか、やらないか。
人生は、ほぼそれで決まったも同然。
困難だと思うのは、とりあえずやってみてからでもいいのでは?
(170517 第316回)