君子財を愛す、これをとるに道あり
『宗門無尽燈論』より
禅僧、東嶺禅師が『宗門無尽燈論』の中で書き留めた言葉である。
住友第二代総理事の伊庭貞剛が座右の銘としたことで知られているこの言葉は、「自利利他公私一如」と並んで住友の事業精神になっているという。
立派な人物は財を尊重し愛するもの。
企業や人が儲けるために働くことは、なにも恥ずかしいことではない。
一生懸命働くことは、自分自身はもちろん、国を豊かにすることにもつながる。
ただし、儲け方には道がある。
人の道にそれることなく、正々堂々と、理にかなった儲け方をしなければならない。
と、伊庭は考え実行した。
とかく人は「金」に振り回される。
なければないで、あればあったで。
金の出入りにそれほど意識を向けるなら、呼吸にももっと意識を向けてみてはどうか。
お金は空気とおなじ。
生きていくためには必要なものである。
だからこそ、清浄な状態が求められる。
大気汚染は百害あって一利なし。
呼吸が乱れれば身体のあちこちに支障をきたし、過呼吸は生命をも脅かす。
ゆっくり、ゆっくり、リズム良く。
はいて(呼)、すって(吸)。
これが呼吸の正しいやり方。
この世の道理に間違いはない。
(170526 第319回)