最善が得られなければ、次善を得る。その次善がだめならば、さらにその次善を
大久保利通
西郷隆盛、木戸孝允と並んで「維新の三傑」と称された大久保利通。近代日本の立役者であり、日本史上最高の政治家であった大久保の、生涯にわたる方法論がこれだ。
大久保が残した言葉ではないが、「リアリスト」と呼ばれた彼の生き様に、現代のわれわれが学ぶべき事は多い。
理想をもつことは悪いことではない。
しかし、理想をもつだけでは、ただの絵に描いた餅。
空腹を満たすことはできない。
思い描いた理想を実現させるためには、思考も行動も具現化していく必要がある。
そのときに陥りやすいのが、「失敗」という罠。
最善の策だったのに・・・なぜ? と。
「ああ、だめだ~、もうこうれで終わりだ~」と嘆いて事がすすむのならそれでいい。
しかし、そこには「失敗した」という事実だけが残るだけだ。
失敗から学ぶ。
それは正論。
ただし、事を急ぐのであれば、後ろを振り返っている時間などない。
では、現実的に今何をすればいいのか。
「最善が得られなければ、次善を得る。その次善がだめならば、さらにその次善を」
である。
最善の一手がだめならば、次の一手。
なるほど、唯一の趣味が囲碁だったという大久保らしい戦法である。
(170613 第325回)