人を感動させる音楽というのは、うまいとか、へたとかではなく、いろいろな人生体験を経て、でてきた音楽だと思う
フジ子・ヘミング
天才ピアニスト、フジ子・ヘミングの言葉はずっと前にも紹介した。だから、彼女についての紹介は省略。有名だから、名前ぐらいは聞いたこともあのではないか。
人は感じる生き物、感動を求める生き物だ。
小さな感動、大きな感動、そのものから伝わってくるものを全身で感じとっている。
感動こそが生きる原動力といっても過言ではないだろう。
とはいえ、喜びや楽しみだけが感動じゃない。
感動とは、心が感じて動くこと。
そう、人間が感じる情、喜怒哀楽という感情をゆさぶるられることが感動なのだ。
優れた技術は、もちろん感動に値する。
しかし、それ以上に重要なのは、魂が込められているか、心がこもっているか、楽しんだ痕跡があるかどうか。
未熟ながら感動するものもあれば、熟練したものが大きな感動をもたらすこともある。
どちらにも共通するのは、作為がないということ。
感動に〝うまい〟〝へた〟は関係ない。
音楽にかぎらず、あらゆる芸術はもちろんのこと、仕事も生き方も同じ。
喜怒哀楽をたくさん経験しながら一生懸命取り組んだものは、だれよりも自分自身がいちばん感動するし、それが人の心を動かすのだ。
(170714 第335回)