運動だけでなく、「思考」にも体力があり、それを鍛えなければ物事を考える力が生まれない
西成活裕
「万物は渋滞する」という持論を元に、「急がば回れ」を科学的に証明した「渋滞学」を確立、提唱した東京大学大学院工学系研究科教授の西成活裕氏の言葉である。
西成氏は、交通、通信機関をはじめ、人間の身体、会社組織、政治、経済など、世の中のすべてのものには「流れ」があり、流れがあるところには必ず澱みや詰まりがあるとし、その滞りの原因を解明、解消しようと日々研究に勤しんでいるという。
人間は、放っておくと楽な方へいこうとする性質がある。
肉体をみれば一目瞭然。
筋肉は使わなければ衰えるし、思考しなくなると脳は衰えていく。
筋肉を鍛えるように、脳も普段から鍛えておかないと、いざというときに機能しなくなってしまう。
どちらも快適に機能させるには、肉体の運動に加え、物事をよく観察し、思考する脳の運動が必要である。
もちろん、ときには休息も必要。
動と静のバランスがいちばん大事だから。
思考する力は行動力につながり、行動力は新たな世界の扉を開ける。
(170723 第337回)