大切なのは、どれだけ多くのことをしたかではなく、どれだけ心(愛)を込めたかです
ノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサの言葉だ。生涯を救済活動にささげ、万人に尊厳ある死を与えたいと路上生活者たちの看取りの場として開設された「死を待つ人の家」には、マザーの精神に少しでも触れたいと、毎日10〜50人ほどのボランティアが集まるという。
多くの場合、人は生きているという実感を手に入れたいと思うし、存在価値を見出したいとも思う。
マザー・テレサも言っている。
「この世で最大の不幸は、自分が誰からも必要とされていないと感じること」だと。
しかし、必要とされんがために、あっちにもこっちにもいい顔をしていたら、軸はぶれ、自信も薄れて生きていくことが辛くなる。
そんなときは、ひとつひとつのことをていねいに、心を込めてやってみるといい。
お茶を入れるときも、茶碗を洗うときもてねいに。
食事や掃除など、日常のひとつひとつをていねいにすることで、意識は変わっていく。
あれこれ雑にたくさんこなすより、ひとつのことを最初から最後まで、ていねいにこなせば満足感は十分。
何かひとつ、情熱をかけられるものがある人はいいけれど、そういうものがないという人であっても、日常のひとつひとつをじっくりていねいにやってみると、意外や意外、だんだん日常が楽しくなって、日々のあれこれに情熱がわくようになる。
そして気づくと、自分のためにやっていたことが、だれかのためになっていたりするのだからおもしろい。
多くのことや大きなことができなくてもいい。
たったひとつの小さなことを、ていねいに、心を込めてやっていれば、自分の心は愛に満たさていくことだろう。
満たされた愛は、やがて周りへと広がっていく。
(170909 第352回)