勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
松浦静山
肥前国第9代平戸藩主、松浦清の言葉。正確に言えば、47歳で家督を息子に譲った後、松浦静山の名で執筆した随筆集『甲子夜話』の中の一節である。
東北楽天ゴールデンイーグルスの名誉監督、野村克也氏の座右の銘として話題になった。
勝負は時の運とはいうものの、ひとつだけはっきり言えることがある。
偶然に勝つことはあっても、偶然に負けることはない。
失敗の裏には、必ず落ち度があるはずなのだ。
「たまたま運がよかった」というのも、もしかすると、運を味方につけるような努力をしていたのかもしれないし、知らないうちに徳を積んでいたのかもしれない。
だとしたら、運の善し悪しを決めるのは、日々の過ごし方の如何によるのだろう。
勝った負けたで一喜一憂する必要はない。
そこから何を学びとるのかが問題なのだ。
何をもって成功というのか失敗というのかは、人それぞれ。
ただし、二度と同じ目には遭いたくないと思うことがあるなら、それは失敗に学ぶべきではないか。
ちょっとした手抜きが勝敗を分ける。
先手をうった準備と努力をしていれば、危機を察知する直感力は冴えてくる。
(170921 第356回)