失敗が怖いのではない。失敗したときの人間が「こころを腐らせる」のが怖いのだ
大正、昭和期の小説家であり歌人の岡本かの子の言葉である。「芸術は爆発だ!」で知られる岡本太郎の母親がこの人。世界的アーティストを生み出しただけあって、彼女の人生もかなり浮き世離れしたものだったようだ。
結果を出せるか否かは、行動力。
行動すれば、良くも悪くも、もれなく結果はついてくる。
車だって、動かなければ目的地にはたどりつけない。
遠回りしようが、間違えようが、とりあえず動けば目的地へ向かうための何らかの情報は得られる。
失敗を恐れて何もできないということはある。
しかし、動いてもいないのに何を恐れるというのか。
「失敗したらどうしよう」「何かを失うかもしれない」「笑われるかもしれない」「期待を裏切ってしまうかも」
云々かんぬん、頭はあれこれ考える。
失敗したときの状況を。
周りの目を、評価を気にしすぎるあまり、手も足も出せないのだ。
けれど、本当は周りがこわいんじゃない。
自分自身が怖いだけ。
「ダメなヤツめ」と自分で自分に「ダメ人間」の烙印を押してしまいそうになるのが。
かの子が言うように、自分で自分の心を腐らせてしまうのが怖いのだ。
最初からうまくいくことなど、そうあることではない。
エジソンだって、一万回も失敗を繰り返し、かの有名な言葉を残しているじゃないか。
「失敗したのではない。うまくいかない方法を、一万通り見つけただけだ」と。
人生一度きり。
失敗を恐れて何もできないのはもったいない。
旅の恥はかきす捨てて、人生という旅を楽しもう。
(171125 第376回)