ボクがオトナになったら、誰か「なったよ」って言ってくれるといいなあ
ふたたび登場、ラッコのぼのぼのちゃん。漫画家いがらしみきおが描く4コマ漫画『ぼのぼの』で、疲れた頭をときどきリフレッシュする。動物たちの日常の、ほのぼのとした会話は哲学的で、癒やされるのに考えさせられる。
オトナってなんだろう。
オトナって、大きくなること?
それとも、物知りになること?
オトナって、いつからオトナなんだろう。
「20歳になったら大人の仲間入り」というけれど、仲間にはなれても本当の大人になれるとはかぎらない。
だとしたら、いつ?
子供の頃は、20代、30代は大人だった。
40代、50代ともなれば、もうすっかりおじさんおばさんだったし、60、70なんておじいちゃんおばあちゃんでしかなかった。
ところがどうだろう。
自分がその年齢になったり、近づいたりしていくと、若かりしころの自分とたいして変わらない自分がそこにいることに気づく。
いや、正直に言えば、若者から見れば、当時の自分と同じように思われているのは確かなのだが、当事者にはそれほど変化があるとは思えないのだ。
オトナとコドモはぜんぜん違うものだと思っていたぼのぼのは、アライグマくんのおとうさんから「ぜんぜん違わない」ことを聞かされ、頭をかしげる。
「そしたらいつオトナになるのかな?
自分がオトナになったことが、ボクにはちゃんと分かるのかしら?」と。
大人のような子供もいるし、子供のような大人もいる。
「大人だね」は褒め言葉なのか。
それとも、「子供みたいに無邪気だね」と言われるとうれしい?
大人への通行手形は手にしているものの、どれだけ歩めば目的地に辿り着けるのだろう。
本当の大人って、いったい……。
と、ぼのぼのといっしょに悩んでしまった。
(180122 第395回)