日本人として覚えておきたい ちからのある言葉【格言・名言】
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紺碧の将

君が喜びを感じられるかどうかは、君自身が何に対して自分の注意を向けることを選ぶか、ということだけにかかっている

『サラとソロモン』より

 思いは現実を引き寄せることはもう、誰もが知っているはずだ。数年前に話題となった『引き寄せの法則』の著者が書いた児童書『サラとソロモン』から、賢者であるフクロウの言葉を紹介しよう。子どもたちに贈る「幸せになるためのヒント」は、脳みそがカチカチに固まってしまった大人にこそ読んでほしい“視点を変える“冒険ファンタジーである。書店「読書のすすめ」スタッフ小川さんのおすすめ本だ。

 

 現実はいつも、ひとつの事実だけを示している。
 柳は緑だし、花は紅なのである。(おおざっぱに)
 猫は媚びないし、犬は忠実なのである。(おそらく)
 
 コップに半分しか水が入っていないのか、
 コップに半分も水が入っているのか、
 どう捉えようとも、
「コップに半分の水」という事実は変わらない。
 
 ひとつの現象を、どの角度で見るのかによって、心持ちはぜんぜんちがう。
 
「そんなこと、言われなくてもわかっている」と、言いたいのは山々だろう。

 けれど、忘れるのが人間だから、あえてフクロウのソロモンに諭してもらう。
 
「君の幸せが他の誰かがやったりやらなかったりすることにかかっている時、君は罠にはまってるんだ。

 なぜなら、他の人々が考えることや行うことを、君がコントロールすることはできないからさ。

 自分の喜びは他人にかかっているのではないということがわかったら、その時には、本当の自由になれるんだ。

 君が喜びを感じられるかどうかは、君自身が何に対して自分の注意を向けることを選ぶか、ということだけにかかっているんだよ」
 
 どの人の中にも、どんな状況の中にも、どの場所の中にも、どの瞬間にも、
 自分自身が〝望むもの〟と〝望まないもの〟があり、
 その両方の要素のどちらかを選べるという選択肢がつねに存在している。
 たとえ、場所や状況の中に望まないものがあるからという理由でそこを去っても、次の場所でも、ほとんど同じような現象に遭遇する。

 これが世の常だと、ソロモンは言う。
 
 嫌なことから逃げても、また形を変えて追いかけてくるだけ。
 嫌だと思っている限り。
 いいかげん成長しろと。
 
 不満や愚痴や文句が口癖になっている人は、手にしている幸せまで手放そうとしていることに気づいてほしい。
 

 さて、あなたにはソロモンの声が聞こえるだろうか。
「君の幸せは、まわりの状況で決まるものなの?」

 

「美しい日本のことば」連載中

(190512 第538回)

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