日本人として覚えておきたい ちからのある言葉【格言・名言】
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紺碧の将

相手が自分を支配するのではありません。自分の考え方、生き方、心の持ち方、これらが歪んでいたら運命も歪んできます

東城百合子

 何度か紹介したことがある。自然食・自然療法の第一人者、東城百合子さんの言葉をふたたび。御年92歳の今も現役で月刊誌『あなたと健康』の発刊や料理教室を開催し、健康運動に情熱をそそぐ東城さん。自然に学ぶ生き方が一番正しいのだと、その姿が物語っている。

 

 自然とはなにか。

 自然に生きるとは、どういうことか。

 

 近年、世界的に自然への回帰が高まっているのか、衣食住に変化が起きている。

 ナチュラル志向の生活に切り替え、食べ物はもちろん、着るものも、住むところも、天然・自然素材のものを求める人が増えてきた。

 人も自然の一部だということを、実感として気づいた人が増えているのだろう。

 

 一方で、“自然”という言葉に縛られ、世捨て人のように極端に偏っていく人が増えているのも事実。

 あれは危険、これは体に毒だからと、あれもだめ、これもだめとダメ出しばかりする人がいる。

 しかし、それは本当にダメなものなのだろうか。

 

「自然食が良いとなれば何でも自然食と、信者のようになってしまう人がいます。それは大きな誤りです。

 どんな場合でも、ものより心が先です。頭で受けとめて理屈で食べていては、物質であるモノを食べることになり、食べ物に宿っている自然のいのち、自然の恵みであるいのちを忘れてしまうことになるのです」

 

 東城さんのところに教えを請いに来る人の中には、ガチガチに凝り固まった自然食主義者の人も多いらしく、本来良いはずの自然食が負の作用を及ぼし、命を落としてしまった人もいるという。

 

 陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる。

 自然も行き過ぎれば不自然になる。

 

 自然は頭ではなく、心と体で感じるもの。

 すべてはバランス。

 

「自分の歩いてきた道を正し、実践しておのれを磨くのが自然療法。それが、自然にかえる一筋の道なのです」

 

 頭で振り分けた善悪や美醜、強弱などは、自然ではない。

 何かが変だと感じたら、その感覚を信じよう。

 

 自然の一部である体の声に耳をすませば、自然からのメッセージが聞こえてくるにちがいない。

 

「美しい日本のことば」連載中

(190524 第542回)

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