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紺碧の将

知識って過去。ご用済み。思考こそ新しいものを作っていく力

外山滋比古

 ベストセラー本「思考の整理学」で知られるお茶の水女子大名誉教授、外山滋比古氏の言葉を紹介。某新聞の中面にあった。「遺言は書かない。精一杯のことをして死ぬときは死ぬ」と語る外山氏。人生100年時代という現代において、彼の生き方に学ぶものは多い。

 

 外山氏いわく、
 詰め込み型の勉強法が有効なのは30代まで。

 40代以降は思考力を養うのがベストらしい。

 

 思考力とは、自分なりに考えること。
 誰かや何かの受け売りではなく、

 疑問をもち、ああでもない、こうでもないと自分なりの答えを導き出すことだ。
 
 試験でいい点数を取って褒められるのは、学生のうちだけ。
 社会に出れば、いい点数よりもいい考え、おもしろい発想など、独創的な思考が求められる。
 
「知識を詰め込んだだけでは考える力は養われない。先生と教科書に引っ張ってもらうグライダー型でなく、エンジンを積んで自分の頭で考え、自力で飛び回れる飛行機型の人間こそ、これからの時代に必要なんじゃないか」
 
 各種セミナーや勉強会が盛んな昨今、
 はたしてどれだけの人が得た知識を活かせているか。
 
 たとえば健康、たとえば料理。
 
 薬の名前や効能をたくさん知っていたり、健康に関する知識はあっても本人が不健康そうなら信憑性はないし、
 料理のイロハを知っているからといって、料理がうまいとは限らない。
 
 歴史もしかり。
 年号や人名、事象などの知識なら、本やネット検索でじゅうぶん事足りる。
 
 それよりも、
 自分はどう思うのか。
 どう考えるのか。
 過去から何を学び、どう活かすのかが大切だろう。
 
 パスカルは「人間は考える葦」と言った。
 自然界の中でもっとも弱い人間に与えられた、一筋の光明。
 それが「思考」であると。
 
 思考力がもっともよく養われる方法。
 それは、
「役に立たなくても自分の好きなことにとことん打ち込むこと」
 と、外山氏。

 

 役に立つことは、評価が気になるもの。
 役に立たないからこそ、評価も気にすることなく心の底から楽しめるのだ。
 楽しいというだけで、「考える」葦はぐんぐん伸びる。
 
「考えるって面白いですよ。まだはっきりしないものに形を与えるわけですから。絵を描くのと同じ。落書きですよ。落書きって楽しいでしょう?」
 
 思考という落書きを楽しむために、
 子供のころに、夢中になって楽しんでいたことを思い出そう。

 

「美しい日本のことば」連載中

「日日是食日」連載中

(191028 第587回)

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