日本人として覚えておきたい ちからのある言葉【格言・名言】
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紺碧の将

「今さら」の〝さ〟を〝か〟に変えて、「今から」はじめてはいかがでしょう

佐治晴夫

 物理学者の佐治晴夫氏の言葉をふたたび。バッハの平均律クラヴィーアを太陽系・外惑星探査機ボイジャー号に搭載しようと提案したあの人である。彼が物理学からの見地で読み解いた般若心経が興味深い。なるほどねえ〜と唸ることしきりである。この言葉も著書『宇宙のカケラ 物理学者、般若心境を語る』から抜粋した。
 
 人はとかく年齢に縛られやすい。
 適齢期という名の下に諦めること数知れず。
 
 今さら、そんなことしたってなんになる。
 もうそんな歳じゃない。
 今さら遅い……。
 
「今さら」という言葉は、前に進もうとする心に足かせをする。
 足かせをされた心は自由を求め、足かせのない心をもった人を羨み、妬むようになってしまう。
 それでは自分も相手も傷つけてしまう。
 

 本サイトの「人の数だけ物語がある」で紹介している陶芸家の大矢康行さんは、こんなことを言っていた。(※大矢さんの記事はこちら)
 
「人生100年時代なんですから、60歳から始めてもぜんぜん遅くはない。10年、20年続ければ、立派な名人です。それでもせいぜい80歳でしょ? まだまだですよ。好きなことなら続けられますし、新しい出会いや新しい体験は、ワクワクしますから元気になります」
 
 彼は定年退職後に陶芸家としての活動をはじめた。
 陶芸以外にもいろいろチャレンジしているそうで、毎日が楽しくて仕方がないとニコニコしていた。
 
 一文字変えて「今さら」を「今から」にしたら、こんなに人生は変わるのだ。
 
「私たちは、未来を変える自由を〝今〟もっています。
〝今〟という瞬間は、過去からの集積の結果としての〝今〟。これからの未来をどう生きるかによって、その時々の〝今〟の集積として降り積もっていく過去は、未来によって新しく塗り替えられていきます。
 つまり、その時々で出会った出来事の良し悪しの評価はその時点ではできなくて、その後にやってくる未来が辿ってきた過去の評価を決めるということです」
 
 物理学の見地からもそう断定できると佐治氏はいう。
「これから」が「これまで」を決めるのだと。
 
 なにかを始めるのに遅すぎることはない。
「今さら」という言葉には「今はじめて」という意味もある。
 

 さて、
 今から。
 これから。
 なにからはじめる?

 

●「美しい日本のことば」連載中

今回は、「あわい」を紹介。

間と書いて「あわい」。古典読みなら「あはひ」。音の響きからでしょうか。「あいだ」と読むより、やわらかい感じがしませんか。続きは……。

●「日日是食日」連載中

(200311 第623回)

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