日本人として覚えておきたい ちからのある言葉【格言・名言】
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私たちについて
紺碧の将

あなたがたの日々の生活、それがあなたがたの神殿、あなたがたの宗教

カリール・ジブラーン

 本棚を整理していたら小さな本が出てきた。『預言者』。著者はレバノン出身の詩人であり哲学者、彫刻家のカリール・ジブラーン(ハリール・ジブラーンとも)。開いた形跡もなく存在すらも失念していのだが、読みすすめて驚愕した。書かれているのは神の啓示ではないかと。どうやら彼は世界的に知られる〝預言者〟のようだ。本書では「アルムスタファ」の名で人びとに啓示を授けている。上皇后美智子さまも愛読されたそうで、ジョン・レノンも内容の一部を『ジュリア』の歌詞に引用したという(Wikipedia参照)。
 
   宗教というと、どうも怪しげなイメージがつきまとう。
 新興宗教しかり、占いやスピリチュアルしかり。
 あるいは、本来のあるべき姿からかけ離れてしまった寺社仏閣、僧侶や住職たちも。
 それらの多くが物質主義、拝金主義の金銭目的で人に近づき、弱みにつけこんで洗脳しているように見えるからだろうか。

 

 結局人はみんな、確たる何かにすがりたいのだ。
 差し出す側も、受け取る側も。
 それが人なのか、金銭や物、教えや法則なのかの違いだけで。
 
 だとしたら、確たる拠り所とはなんなのだろう。
 著書『預言者』のなかでも、ひとりの司祭が預言者アルムスタファに宗教について訪ねている。
 アルムソタファは答えた。

 

 「宗教とは、およそすべての行為、すべての内省ではありませんか。そしてまた同時に行為、内省でもなく、ひとがその手で石を刻み、織機に気を配る間にも、魂からほとばしり出る不思議と驚きなのではありませんか」
 
 その信仰の心を、その行為と仕事から引き離すことは誰にもできないし、それらの時間を「これは神の分、これは自分の分、これは私の魂の分、これは私の体の分」と言うことはできないだろうと。
 
 食べるもので身体が作られるように、日々の暮らしが人をつくり、魂を変える。
 見るもの、聞くもの、触れるもので。

 

●「美しい日本のことば」連載中

 今回は、「虫時雨」。時の雨と書いて「しぐれ」。降ったり止んだり、時のまにまに降る雨のことを言いますが、日本人の耳にはどうやら、しきりに鳴く虫の声も雨の音に聞こえるようです。続きは……。

https://www.umashi-bito.or.jp/column/

●「日日是食日」連載中

(201003 第671回)

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