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紺碧の将

植物に心があると証明した実験記

file.158『植物は気づいている』クリーヴ・バクスター 穂積由利子訳 日本教文社

 

 CIAのウソ発見器技術者クリーヴ・バクスター氏は、ひょんなことから、植物が人間の想念に反応することを発見する。ちなみにウソ発見器は、人間がウソをついているとき皮膚の上を流れる電流が微妙に変化することを利用して開発された。

 バクスター氏はある日、いたずら心を起こし、ウソ発見器を研究室にあった観葉植物の葉っぱにつけ、ライターで葉っぱに火をつけようとした。すると、ウソ発見器の計測データは大地震のときの地震計のように大きく揺れた。

「ウソだろう……」

 と思いつつ、研究助手らを使って、さまざまな実験に取り組む。その結果、驚くべきことがわかった。植物は、仲間(植物)を〝惨殺〟した人間を記憶している、100キロも離れた場所で所要を済ませ帰ろうとしている主人(飼い主)を察知し喜ぶなどなど。

 そういえば夫婦喧嘩ばかりしている家の植物はすぐに枯れるとか、恋愛をしている人がいる家の植物はなかなか枯れないなどと聞いたことがある。

 考えてみれば、当たり前の話である。植物は生きものだ。プラスチックなどの無機物ではない。生きものである以上、さまざまなことを察知し、なんらかの感情の揺れがあっておかしくはない。

 バクスター氏が一連の実験をもとに論文を発表したとき、激しく賛否両論が渦巻いたというが、その後、研究は進められなかったのであろうか。植物は生きものだから、毎回同じ結果にはならない。「慣れる」のだという。それゆえ科学的なエビデンスを得ることが難しいとも聞いた。

 しかし、私はこう思っている。「植物はなんでも知っている」と。動かないで、じいーっとわれわれの動きを見ている。いや、見ているだけでなく心の中まですべてお見通しだ。

 天網恢恢疎にして漏らさず。地球上の植物たちは、人類の行いを見つめている……のではないだろうか。

 

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