Liberty means responsibilty. That is why most men dread it.
本コラムにたびたび登場するバーナード・ショー。どの箴言も真理を突いている。
上の言葉の意味は、「自由は責任を意味する。だから、ほとんどの人は自由を恐れる」。
自由と責任は表裏一体のものだ。どちらか一方だけというのは、まやかしであり、自然ではない。自然でないものが長続きするはずもない。
それでも、自由と責任が表裏一体だという認識があればまだしも、昨今のわが国の風潮を見るにつけ、どうやら自由だけを拡大解釈し、責任などまったく失念していると思わせる言動にたびたび出くわす。
そのひとつが、無節操な政治批判だ。コロナ禍という未曾有の非常事態がそうさせるのか、代案の伴わない政治批判があまりにも多すぎる。
本来、国民主権とは、国民の一人ひとりが政治を担うということを意味している。ただし、有権者がすべて一堂に会して議論をするのは物理的に不可能だから、代議士を選び、彼らに託している。
そういう人たちが国会の構成員となり、そこでリーダー(総理大臣)を決める。そして、その人が各大臣を任命し、内閣をつくる。それが議院内閣制というものだ。にもかかわらず、なんの代案もなく、政府を攻撃する。それは天に向けて唾する行為と同じである。
自由はかけがえのないものだ。そして、自由を守りたいのであれば、責任についてもっと真剣に考える必要があるのではないか。
(第70回 210905)
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