I’ve always enjoyed myself. Unhappy periods for me last about twenty minutes.
キース・ムーン
ザ・フーという伝説的なロック・バンドのドラマー、キース・ムーンの言葉。
「僕はいつも自分自身を楽しんでいる。いやな時間は20分と続かない」
自分を客観視し、自分を楽しめるようになったら人生の達人だ。世の中には、生きていることが嫌で嫌で、多くの人を巻き添えにして死んでしまいたいと思う人もいれば、キース・ムーンのようにずっと楽しんでいる人もいる。その違いは、なにに由来するのか。
心持ちだろう。自分が置かれた状況は変わらない。しかし、それをどうとらえるかは自由だ。
とはいえ、自分の心持ちをコントロールすることほど難しいことはない。人間には、不必要に発達してしまった脳があるから。楽しい時間を増やそうとするのに、脳の奴が勝手にあれこれと考えてしまう。その結果、ネガティブな感情に支配される。だからこそ、人間には宗教や思想、哲学が必要なのだろうが、キース・ムーンのように好きなことをしている自分を楽しむということが、じつは最良の薬なのではないか。
年のはじめに、あらためてそう思う。
(第87回 220102)
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