The more things a man is ashamed of, the more respectable he is.
バーナード・ショー
本コラムでたびたび紹介しているバーナード・ショーの言葉。
彼のような人を賢人というのだろう。人間をさまざまな角度から凝視し、その本質を的確に、簡潔な言葉で言い表している。こんな芸当はなかなかできるものではない。
「より多くのことを恥じているほど、より敬意に値する」
相手を罵る言葉に「恥を知れ」というものがある。無恥はサイテーだと断罪しているのだ。
孔子は、弟子の子貢に「どのような人物を士と言うべきでしょうか」と訊かれ、「己を行うて恥あり。四方に使いして君命を辱めざる、士と言うべし」と答えている。つまり、自分の責任を果たし、恥になるような行いをしない。国の使節として諸国の諸侯たちに会い、国の名を辱めることがないような人物を士というのだと言っている。
翻って世の中を見ると、労せずして大金を得たというような本を、わざわざ自分の顔を晒しながら出している人がいる。選挙に負けたのに支持者を煽って暴動を起こさせた人もいる。
いちばん面白いのは人間図鑑であろう。
(第92回 220206)
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