ゴチャゴチャが固まった街・大阪
これまであまり馴染みのなかった大阪へ行った。
梅田界隈から天満橋、中之島あたりにかけ、けっこう歩いたが、やはり大阪は庶民の街、大衆性こそが〝売り〟だと思った。一部におシャレなエリアもあるが、街のほとんどは下町っぽい。東京23区でいえば、北東部の下町エリアがすごく肥大し、その隙間に山の手があるような感じといえばわかりやすいだろうか。
その象徴が、天神橋筋商店街という日本一長い商店街だ。全長3キロ弱、地下鉄2区間分もある。めまいがするほど昭和的でハデで庶民的でレトロチックな店が並ぶ。コロナ禍の真っ最中はレモンサワーが無料の店、いまどきこんなレトロな服を買う人がいるのかと驚く衣料品店など、とにかく安さを売り物にし、それを伝えるために原色使いのやたらハデな看板が所狭しと続く。こりゃあ、東南アジアの人が集まってくるわと納得。どこへ行っても、話し声が聞こえる。大阪の人の話し声は大きいのだ。そういうところも東南アジア的である。
とはいえ、否定的に思っているわけではない。活気があるし、たくましささえ感じる。
地下鉄網が張り巡らされているため、移動は便利だ。ただし、京都同様、座り方は東京とまるで異なる。座る位置を示すマークには頓着せず、隣の人と間を空けているから、所定の人数が座れない。近くに立っている人がいてもおかまいなしだ。東京でそんなふうに座る人がいたら、即座に白い目で見られるだろう。
なにはともあれ、大阪である。同じ関西でも京都とはまるでちがう。娘が住んでいることもあって、これからときどき行くことになるかもしれない。
このゴチャゴチャ感!
このレトロ感!
このハデさかげん!
こういう看板は大阪らしい
(220523 第1129回)
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