クラウドは地上にある
成田空港に近い、とある所に写真のような巨大な建物がいくつも建っている。はじめは物流倉庫かと思ったが、どうも雰囲気がちがう。近くに高速道路のインターはないし、そもそもこの建物、ほとんど窓がない。
地元の人に聞いて合点がいった。データセンターである。つまり、クラウドに集められた大量のデータがここに入っているのだ。毎年、こんなに巨大なデータセンターがいくつも建つという。
いかにも広いフロアだが、なんと1フロアに7人もいれば事足りるらしい。雇用にはほとんど貢献していないのだ。
考えてみれば、クラウドという言葉はまやかしに近い。どうしても〝雲〟をイメージしてしまう。クラウドのデータは空に浮かんでいると思いがちだ。cloudという単語には大勢という意味もあるから、雲の意味ばかりではないかもしれないが、多くの人はクラウドのデータは空中に浮かんでいると思っているのではないか。
どうして、毎年データセンターが増えているかといえば、スマホにデータを溜めておくからである。大容量の契約を結び、スマホで写した写真の多くを消去しないで保存している。これではデータが増えるばかり。
私はずっとスマホの容量は1ギガだった。さすがに対応しきれなくなり、昨年3ギガに増やした。それでも3ギガである。よく使うのは通話とライン、カメラ機能とモバイルSuicaのみ。モバイルSuicaも口座との紐付けはしていない。信用ならないからだ。スマホでネットを見ることはめったにないし、まして動画は見ない(見られない)。写した写真も厳選してパソコンに送る。その後、ほとんどを消去している。だから3ギガでじゅうぶんなのだ。ときどき、「インターネットを使用しないとクラウドに写真が保存できない」というような内容のアナウンスが表示されるが、これってスマホが人間様を使おうとしているということ。私はスマホは便利な道具だと思うし、なくてはならないが、けっして道具に使われたくはない。あくまでも主人公は自分である。
とまあ、どうでもいい話になってしまったが、こんなに巨大なデータセンターが日本中に溢れたら、いったいどうなるんだろう。
ミサイル攻撃やパルス攻撃をされたら社会はどうなってしまうのだろう。よくわからないが、便利さだけを追い求めて無邪気に行動していると、思わぬしっぺ返しに遭うのではないかと思っている。
(220905 第1144回)
髙久の最新の電子書籍
本サイトの髙久の連載記事