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紺碧の将

死ぬまで右肩上がり

2011.12.31

 昨年の総括は、愛猫・海に語ってもらったが、今回はきちんと自分でしようと思う。

 今年もいろいろあった。まさに、「辛卯」(かのと・う)の通り、自然災害があり、新旧入れ替わりの扉が開いた年だった。

 あらためて、先の大震災で亡くなられた方々に心から哀悼の意を表します。

 

 個人的にはどうであったか? 事業を興してもうすぐ満25年。この間は、一貫して上昇のトレンドにのっていたが、引き続き、今年もその流れに乗ることができた(※業績は下降トレンド)。例年より地味な1年だったが、それでもあらためて振り返ると、さまざまな成果があがっている。

 特に、『Japanist』においては重要な足がかりをつくることができた。サスティナブル・インベスター社の奥山秀朗氏という素晴らしい「同志」を得、共同経営に踏み出すことができた。今まで、編集はもとより、経営に関してはすべて独断専行だったが、さまざまな可能性を探りながら議論を重ねているだけで百倍の勇気を得る思いである。奥山氏らの拠点のひとつである神楽サロンにおいて「第1回 ジャパニストの集い」を成功させることができたし、神楽サロンの出版部門(神楽サロン出版)立ち上げに関与することもできた。現在は、『Japanist』と読者をリアルに結びつけるウェブサイト(神楽堂)の構築にとりかかっている。

 また、『Japanist』に安倍晋三氏、小川三夫氏、金美齢氏、櫻井よしこ氏、千玄室氏、野口健氏、船村徹氏、渡部昇一氏という錚々たる方々からの推薦を得ることもできた。このことは、3年弱続けてきたことの大きな成果であろうと思う。

 さらに、昨年から執筆してきた『本物の真髄 自然体のパティシエ 西原金蔵』を三友学園出版部より上梓することもできた。

 直接、仕事とは関係ないが、日本第2の山・北岳への登頂や、那須御用邸での天皇・皇后両陛下お迎えなど、印象に残る出来事もあった。

 その他、芸術面での収穫も多い。ブラームスのピアノ四重奏曲をシェーンベルクがオーケストラ版にアレンジしたものをサントリーホールで聴いたが、それは私にとって今年のベストパフォーマンス。以後、その曲は愛聴盤になっている。

 美術では、円山応挙やギリシャ彫刻の真髄にも触れることができた。

 今年読んだ本で印象に残っているのは、『ドーダの近代史』(鹿島茂著)。他に、新田次郎の『槍ヶ岳開山』、藤原正彦の『祖国とは国語』、稲垣栄洋の『身近な雑草の愉快な生き方』も面白かった。再読組ではS・ブロンテの『ジェーン・エア』、バルザックの『幻滅』に、あらためて世界文学の底力を思い知らされた。

 菅野敬一氏との出会いによって、日本の職人の可能性を信じることもできた。

 その他、今年の出来事、成果を書けばきりがないほどにある。

 

 さて、今年もっとも数多く見た景色といえば、右上の風景である。拠点にしている新宿御苑前のマンションから見た窓外の風景だが、朝起きてこの風景を見ながら「気」を取り入れ、その後、YouTubeでラジオ体操第一・第二をやるのが日課である。何度も繰り返し、この林の光景を見ているうちに、大きなケヤキに名前をつけていたことに気づいた。真ん中の大きな木が「佐馬之助」、その左が「凜子」、そして右が長男の「一夫」である。「一男」ではあんまりだし、「和男」ではさらにあんまりなので、そういう名前になった。いろいろ名前をつけたがるのは昔からの私の習性である。

 

 来年はどういう年になるのだろうか。かねてより暖めてきた私塾の構想(本塾=もとじゅく)など、やりたいことは山ほどある。

 “自分が好きなことを見つけて無我夢中で取り組み、ひとつずつ目標をクリアする。そうやって愉しみながら、自分という人間をぶ厚くしていく……。今がベストで、未来には未知の楽しみがある。これが、多樂の本質である” と、このブログのサブコピーにも書いたが、その考え方に変わりはない。

 来年もやりまっせー!

 今年84本目のブログでした。1年間のご愛読、ありがとうございました。

(111231 第307回 写真は窓から見える、新宿御苑の林)

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