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紺碧の将

古文書を修復する人たち

2023.07.11

 長野県立博物館でのこと。館内を見てまわっているとき、ある部屋で10人ほどが古書を相手に懸命に仕事をしている光景に出くわした。ガラス窓から覗いていると、年配の女性が、「なかでご覧になりますか」と招き入れてくれた。

 聞けば、洪水などで汚れてしまった古書の修復をしており、全員、ボランティアだという。古文書は江戸時代のものが多い。泥水に浸かったものをいったん大型冷蔵庫に入れて凍らせ、紙に沁み込むのを止める。その後、解凍し、少しずつ丁寧に泥を取り除くのだという。

 世の中にはいろいろなことに取り組む人がいるのだなとあらためて思った。ボランティアにもさまざまなものがあるが、古文書を保護するというのは意義深い。

 ちなみに長野県立博物館は川中島古戦場の一角にある。場所柄、武田信玄の直筆書状などがあったりして、興奮ものである。改暦のために天体を調査した渋川春海の天体図があったことにも驚かされた。

 地方に赴き、その土地の博物館や美術館に行くと、思わぬ掘り出し物に出くわす。それが面白い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(220711 第1185回)

 

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