Liberty means responsibilty. That is why most men dread it.
アイルランド生まれのバーナード・ショーは文学者、脚本家、劇作家、評論家、政治家、教育家、ジャーナリストなどさまざまな顔をもつ。以上の肩書きのうち、政治家と教育者は異色である。自分の内なる世界を表現する仕事と、深く社会に関わる仕事の両方ができたのだ。
掲出の言葉は、「自由とは責任を意味する。だから、たいていの人は自由を恐れる」。
ロシアがウクライナに侵攻して1年半以上経つ。ロシアという国家はたびたび他国を侵略しているためNATOという組織が生まれたのだが、その背景にはロシア国民が自由主義や民主主義を好んでいないという民族性があると何かで読んだことがある。自由主義、資本主義の社会に生きているわれわれからすれば、「なぜ?」と思うが、それほどに「自由」や「民主主義」は面倒くさいシステムである。それなら多少人間的に問題があろうと(プーチンやスターリンは多少ではないが)、すべて決めてくれた方が楽だと思うらしい。
ただし、現在、自由主義や民主主義を採用している国々に住む人たちが自由という権利にともなう責任をきちんと理解しているかどうかはなんとも心もとない。藤原正彦氏も『国家の品格』で書いているように、自由と平等は両立しない。それなのに両方を求め、それが叶わなければ「不平等だ」「人権侵害だ」などと批判するのだから。
だんだん結論から遠ざかってしまう。要するに、自由という権利を維持するのは容易ではないということ。
(第120回 231004)
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