江戸時代の土木技術を物語る玉川上水
2023.11.05
昔の人の土木技術には感心することしきり。とりわけ玉川上水は言葉が出ない。
江戸時代前期の1653年(承応2年)、東京のはずれ羽村から四谷の大木戸まで42キロにわたって築かれた上水路の凄さよ。高低差は約92メートル。土木の専門家でなくても、42キロにわたってその高低差で水を流すことの困難はある程度想像がつく。重機も繊細な計器も使わず、肉眼で見てもわからないくらいのわずかな勾配で江戸まで水を流したのだ。しかもわずか8か月で羽村の取水口から四谷大木戸まで素掘りをしたというのだから、その執念と実行力に驚愕する。江戸が世界初の100万都市になったのは、この上水路があったからだろう。
都内を歩くには、ここ玉川上水散策路がベストだろう。拝島駅から杉並区の浅間橋まで、上水路に沿って設けられている(浅間橋から四谷まで暗渠になっており、拝島駅から羽村までは散策路がない)。
へたなレジャースポットへ行くより、断然オモシロイ。
往時の玉川上水
ゆるやかに流れる上水路。これが延々と続く
上水路の両側に敷設された散策路
上水公園
(231105 第1197回)
髙久の最新の電子書籍
本サイトの髙久の連載記事