符牒としての歴史
2024.05.18
心が通じ合う瞬間がある。それまでつかず離れずの間柄だったのに、あることをきっかけに一気に親密度を増すということが。『紺碧の将』を刊行してから幾度もある。
「え? そんなに歴史好きだったの?」という具合に。それほどに「歴史」というものは裾野が広く、多くの人を惹きつけるテーマなのだ。
考えてみれば、不思議なことではない。有史以来、無数の人間が生まれ、死んでいった。それらのなかから、ほんの選りすぐりだけが歴史にその名を刻んでいる。そのエピソードがつまらないはずがない。
歴史に関心を抱くということは、自分の人生に興味を抱くということでもある。人間の本質は、古来変わることはない。であるからこそ、歴史をつぶさに学べば、おのずと自分の人生を豊かにするヒントが無数にあることに気づく。そういうことを除外して、単にエンターテインメントとして見ても歴史は極上のテーマといえる。その楽しみ方は無数にある。
写真は、友人が送ってくれた特別ラベルの日本酒。今回の刊行に際して多くの方からお祝いをいただいたが、あらためて幸せ者だと感じ入っている。
(240518 第1223回)
髙久多樂の新刊『紺碧の将』発売中
https://www.compass-point.jp/book/konpeki.html
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