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紺碧の将

戦友、G4-Cube

2008.01.20

 どちらかと言えば、モノにはあまり執着しない方だ。車は好きだが、モノそのものに偏愛を感じているわけではない。そもそも私はメカ音痴なので、機械の類は見ても触ってもさっぱりわからない。「車が好き」というのは、車のモノそのものではなく、「車に乗る」というシチュエーションが好きなのだ。だから、デザインというのは私にとって最も重要なポイントになる。次に希少性、乗り味など、あまりスペックとは関係ない要素が続く。利便性などは、かなり優先順位が低い(というか、ほとんどその点は考慮していない)。そんな私が選んだ車がアルファ・スパイダーというのは妥当という気がする。

 本も大好きだが、古書コレクターのように、本そのものに偏愛を感じることはない(少しはあるが)。まず、中身を読み、内容が素晴らしくなければ、その本に対する執着は薄れていく。だから、好書家ではけっしてない。

 とまあ、あまりモノにはとらわれない私だが、自宅の書斎で使っているパソコンにはけっこう愛着を感じている。

 Power Mac G4 Cube。これが私の仕事のサポートをしてくれているパソコンだ。これの他に、宇都宮のコンパス・ポイント、横浜のフーガ・コミュニケーションズ、そして横浜に借りているマンションの部屋にもそれぞれ私の専用機があるが、このCubeが断然気に入っている。まさに「人馬一体」。

 『fooga』を含め、私の著作やデザイン業務のほとんどをコイツが手伝ってくれている。いわば戦友的存在。筺体で覆われた8インチ(約28cm)のキューブ型マック。マックらしく独創的なデザインだが、2000年発売から約1年後に生産がうち切られた。冷却用のファンがなく、ほぼ無音で動作するという画期的な設計など、多くの点で話題を呼んだが、実売に結びつかないところがマックらしくもある。おそろしく斬新かつ画期的なのに、販売上手でないところが好ましい、というか、いじらしい。

 あれからほぼ8年、私の机の前にこのCubeが鎮座している。一見、無機的な感じがするが、どっこいそう単純でもない。だってこれ、全然パソコンらしくない。中に何が詰まっているかわからない玉手箱のようでもある。これは私の予感だが、このCubeはいずれどこか有名な美術館や博物館に収蔵されると思う。この潔い簡潔性は今後なかなか現れることはないと思うのだ。

 それにしてもこのCube、なんとなく自分と共通する点があるような気がする。

(080120 第31回)

 

 

 

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