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紺碧の将

「ニッポン」を発信する絶好の機会

2013.10.06

和光のショーウィンドウ 2020年の東京オリンピック開催が決まった。無限の可能性を手に入れたという点では、大きな成果だと思っている。

 しかし、どんなものにも明と暗がある。オリンピック開催にも多くの負の部分があり、それだけを取り上げれば批判することは容易い。事実、あくまでも少数派だが、さっそく非難ばかりしている手合いがいる。おそらく、そういう手合いは死ぬまで物事の「暗」の方を見続け、鬱々とした一生を過ごすのだろう。自業自得とはいえ、寂しい生き方だ。

 

 さて、オリンピックの「無限の可能性」とはどういうことを指すのか。

 インフラ整備などによる景気向上? 選手の強化によるメダル獲得数の向上? 気持ちが明るくなること?

 そういうことも言えるかもしれないが、それらは一時的な効果だ。特にオリンピック景気には反動があることを忘れてはいけない。

 私は、なによりも大きな可能性を秘めているのは、「発信力が大幅にアップすること」だと思っている。

 現代において、どのような情報をどのように発信するかは、きわめて重要なことだ。今まで日本は、「言わずともわかってくれる」というような考え方で情報発信を疎かにしてきた。日本人同士なら、それはそれで美徳と映るだろう。

 しかし、その結果、本来の日本の姿が世界に伝えられないとしたら、これほど「モッタイナイ」ことはない。

 先月14日、サンフランシスコ郊外に「太平洋戦争追悼碑」が建てられたが、これはあることないことを書き立てて旧日本軍の行為を、ひいては今の日本を攻撃しようという悪意のある人たちによるものである。背後に中国や韓国など反日国家指導部の働きかけがあることは明らかだ。こういうものが建てられてしまうこと自体、日本側にも問題がある。世界には悪意のある人がたくさんいるということを忘れてはいけない。

 オリンピック開催に関連して、多くの外国人が日本を訪れ、多くのメディアが日本を報道する。その際に、日本のナマの姿を知ってもらうことはとても大切なことだ。もちろん、政治的にPRするばかりではない。日本文化の根幹である「和の精神」、洗練されたおもてなし、精緻で心のこもった物づくり、清潔さ、宗教観の懐の深さなど、伝えるべきことは山ほどある。特に、戦後ずっと平和主義を貫いているということ。もちろん、これは現憲法によるものではなく、日本人の資質によるものだ(むしろ、現憲法は戦争を誘発する危険性が高い)。歴史的にも争いの嫌いな民族であったということを伝えることは重要だ。中韓の連中は今にも日本が侵略戦争を起こそうとしているかのように錯覚している人が多いというが、それがとんでもない勘違いだということもわかってもらう必要がある。

メニューサンプル また、パリやニューヨーク、ロンドンと異なる、東京らしい都市景観を見てもらう絶好の機会にもなる。その際、有効なのが建物地上部分のショーウィンドウだ。極度に洗練されたものから定食屋のサンプルメニューまで、「ニッポンらしさ」を発信する。百聞は一見にしかず、という諺があるように、ナマの姿を見てもらうということが、日本に対する理解を深めてもらうことになり、ひいては日本ファンを増やすことにもつながるのではないか。

(131005 第457回 写真は、銀座和光のショーウィンドウと奈良の定食屋のメニューサンプル)

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