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紺碧の将

いいモノとそうでないモノ

2015.06.21

ChinomaのTeam 7 去る4月、社屋を売却し、移転するにあたって、じつに多くのモノを捨てた。かなり収納力があった社屋だったので、よけいにそうだったのだが、途方もないモノが溜まっていたのだ。
 あまり吟味することなく捨てた。バンバン捨てた。もしかすると、これから「あれはどこへいった?」というようなケースがたくさんあるかもしれない。それくらい捨てた。気持ちよかった。身の回りに置くのは、ほんとうに自分に合った、少ないモノだけでいい。もっとも、事務所という関係上、好きなモノばかりで固めるわけにはいかないが……。
 過日、ある友人から、オーストリアのティームセブンのテーブルを買ったのだが、置くスペースがないのでChinomaに置かせてもらっていいですか、と言われた。Chinomaとはすでに何回も紹介したが、市ヶ谷にある事務所兼サロン兼書斎みたいな空間である。大きな窓に、外堀通りの風景が優れた絵のように映っている、そんな空間だ。
 その打診はもちろん大歓迎だった。いいモノが身近にあるだけで気が高まっていく。科学的にどういうことかわからないが、実体験として私はそれを信じている。だから、モノを選ぶ時は慎重を期すのだが、歳とともにモノの選び方がうまくなってきているようだ。
 では、ティームセブンとはどんなメーカーか。公式サイトより拝借。

 

──環境先進国・オーストリアに本社をもつティームセブンは、有害物質をまったく含まない住空間の実現にはじめて本格的に取組んだメーカーです。自然素材のみを使用したメーカーとして、ヨーロッパ ナンバー1の呼び声高い名ブランドです。
 1978年に世界で初めて原子力を禁止するなど、環境先進国として名高い国オーストリア。豊かな緑にあふれた森や飲むことが可能な湖など、自然との共存に関して高い意識をもつ国民性は、ホルムアルデヒド問題などにも早くから注目していたことにも表れています。
 最初にお話しておきたいことは「ウッディー」や「ナチュラルティスト」と「自然」は、違うものだということです。いくら木で形作られた家具であっても、表面にウレタンを塗ってしまえば木が本来もっている美点を損ねてしまいます。
 ティームセブンの家具に使われている木として、最も象徴的なのは厳選されたドイツアルダーという広葉樹。伸縮や狂いが少ない、日光による色焼けが少ないなど、無垢材として多くの長所を持つ木です。また、ドイツアルダーは、天然の木油や蜜蝋が染み込みやすいという性質があります。ティームセブン の家具は、すべて純粋な木油と蜜蝋で仕上げることで、生物としての木そのものの性質を保っていますが、これは大切なことです。
 自然そのものを家具の形にした、それがティームセブンの商品。もちろん、接着剤も有害物質をまっ たく含まないタイプを厳選しているのは言うまでもありません。低ホルムアルデヒドとノン・ホルムアルデヒドは、意味が逢うのです。

 

 少々長くなったが、そういう考えのもと、作られている家具だ。Chinomaにあるテーブルは大きさが可変式で、最大10人くらい対応可能。身はぎっしりと詰まっていて、大の男が3人がかりで運んだというシロモノだ。
 できうれば、私も「そこにあるだけで気が高まる」ような書物をつくりたいものだ。
(150621 第562回 写真上はティームセブンのテーブル)

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