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紺碧の将

常滑やきもの散歩道

2017.10.11

 常滑という焼き物の産地がある。地図でいえば、名古屋の下。伊勢湾寄りにある。作風は私の好みではないが、散歩道が素晴らしい。

 雲一つない晴天に恵まれ、風情のある道を歩くことの楽しさを満喫した。

 道はクネクネと曲がり、随所に見所が並ぶ。名士の旧家、土管や焼酎瓶が並べられた坂、巨大な登り窯、水琴窟、古い民家……。大学の美術部によるモダンアート、常滑の風景を描いた画家の展覧会、個性あるギャラリーの数々。そして、ひと息いれたいときに現れるカフェ……。高台から見ると、あちこちに窯の煙突が立ち、独特の光景を醸していた。歩いてこんなに楽しいところは久しぶりだ。

 このコースを作るのは簡単ではなかったはず。民家の前を通ったり、敷地を通り抜ける必要があるからだ。おそらく、このプロジェクトに熱心な人が地域の人たちを口説いたのだと思う。

 

 陶器市のシーズンだったのか、大勢の人が訪れていた。人が歩けば、必ずお金が落ちる。信長が楽市楽座で証明したように、まずは「人が集まる仕掛け」が大切だ。

 首都圏を除けば、人口が増えている地域はごくわずか。そういう時代にあって、他から人を集めるには従来の方法では限りがある。情熱のある仕掛け人と地元民の協力、この二つは欠かせない。

 素敵な実践例を見せてもらった。

(171011 第758回 写真上は登り釜の煙突。下は土管坂)

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