蒲郡クラシックホテル
前々回、犬山城へ行った話を書いたが、犬山には明治村という興味をそそられるスポットもある。いずれも訪れる予定だったのだから、本来なら犬山に宿をとるべきだろう。
しかし、ネットで調べても、犬山にはこれといったホテルがない。範囲を広げて調べるうち、蒲郡にクラシックホテルがあることがわかり、そこを予約した。東京から犬山まで行き、夕方、蒲郡まで戻ってくるというのはかなりのロスだが、それでもその宿を選んだ(その影響で、明治村での滞在時間が短くなってしまった)。
明治45年開業。格調高いホテルだと思う。三河湾を見下ろす立地は、得難いものだ。ヨーロピアンタイプの内装もいい。ホスピタリティも文句をつけてはいけないレベルにあると思う。
しかし、なにかが足りない。贅沢を言ってはいけないと思いつつ、犬山から遠路戻ってきたという手前(勝手にそうしたのだが)、ずしりとくるインパクトを期待していた。
冷静になって考えると、パブリックスペースに比べて、客室の家具や調度品類に品がないことが理由のひとつだとわかった。ただ古いだけで、それだけを見ると、よくある大型温泉宿のそれとあまり変わらない。
もうひとつは、食事に工夫が感じられなかったこと。これも欲を言えばきりがないが、もっと独自のスタイルを目指せるはずだ。おそらく、「このへんでいいだろう」という妥協が混じっている。夕食は六角堂という、特別に設えられたところでいただいたが、お酒の種類も少なく、食事にも工夫を感じられなかった。ただ、卓上にアンデス、シチリア、カマルグ、宮古島、死海、藻塩と6つの塩が用意されていたのは、好感がもてた。
もう一度、行ってみたいかと問われたら、「?」かも。
※悩めるニンゲンたちに、名ネコ・うーにゃん先生が禅の手ほどきをする「うーにゃん先生流マインドフルネス」、連載中。今回は「成果があったときの落とし穴」。
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(180427 第807回)