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紺碧の将

不易と流行

2018.11.03

 新宿御苑のヘヴィーユーザーといっていいだろう。年間250回くらい利用している。通常、入場料は1回200円で、年間パスポートは2,000円。単純計算すれば、50,000円払うべきところを2,000円で済ませている。

「御苑の近くに住んでいる人は国民の税金の恩恵を受けているのだから、税金を高くするべきだ」とある人が言っていたが、一理ある。一理あるが、実現することはないだろう。そうだからこそ地価も高いわけで、固定資産税も高い。

 

 利用している時、時々思うことがあった。相も変わらず同じことを繰り返しているなあ、と。新宿御苑は皇居東御苑、京都御苑とともに三大御苑のひとつだが、それゆえにか、新しいことはまったくと言っていいほどやらなかった。頑ななまでに。

 ところが、今年は方針が変わったようだ。先月は、ある民間会社が請け負い、夜、ライトアップされたなかを歩くという催しが行われた。残念ながら申し込んだ時はすでに定員に達していたが、来年はぜひとも実施日を増やしてほしい。

 さらに、これまで部外者が入れなかった栽培地が期間限定で公開されている。今まさに菊花壇展の最中なのだが、その広大な栽培地で大量の菊を栽培しているのだ。その他、伐採した幹や枝をストックしておくところなど、御苑の陰の部分も見られて興味深い。

 聞けば、東京オリンピックに向けて、さまざまな試みをするらしい。

 変わることはいいことだ。いや、正確に言えば、変えてはいけないことは変えず、変えるべきことは変える。なにごともそのバランスが大切だ。

 芭蕉の唱えた不易流行は、そういう意味もあるのだと思う。

 

「美し人」

美の生活化―美しいものを人生のパートナーに

 

※悩めるニンゲンたちに、名ネコ・うーにゃん先生が禅の手ほどきをする「うーにゃん先生流マインドフルネス」連載中。第31話は「時が解決してくれる」。

https://qiwacocoro.xsrv.jp/archives/category/%E9%80%A3%E8%BC%89/zengo

(181103 第854回 写真は栽培所)

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