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紺碧の将

谷村新司の真意

2010.03.25

 先日、次の『Japanist』のための対談を取材した。

 今回のゲストは谷村新司さん。迎えるは毎度おなじみの中田宏氏。

 

 いやー、凄いのなんのって。

 谷村さんたら、ほとんど質問に答えない。

 何を訊いても、「それは無意味ですね」「そういう風に考えない方がいい」といった返事ばかりで、その後に続く言葉も、まるで禅問答。

 谷村さんがかなりの見識を持っているということは聞いていたが、まさに見識の塊で、いろいろなことをよく勉強している。というより、独学で学んだのだろうが、実体験から普遍的な思考を探るメソッドは天才的かも。

 おそらく谷村さんは「『Japanist』を試したのだと思う。なぜなら、今までに数え切れないほどのメディアに出演しているだろうが、今回ほど本音だらけのコメントはなかったんじゃないかな。私はテレビはほとんど見ないし、ラジオはまったく聞かないので正確なことはわからないが。

 その上、谷村さんは確信犯であった。中田氏の役割が、良き社会を建設するための仕組み作りだということを知っていながら、はぐらかす・うっちゃる・跳ね返す。2時間ずっと笑顔で、とりつく島を最後まで与えなかったのはさすがという他ない。

 

 対談中はどうまとめたらいいのか不安だったが、あるところでピーンときた。

 というのは、谷村さんが何度も言ったように、私もこの国はあと2、3年で根本的に仕組みを変えなければいけない事態になると見ているのだ。その理由が何であるのかまでは訊かなかったが、そういう事態になるのにいくつもの理由はない。

 しかし、どういう事態になろうとも、日本という国は存在し、1億3000万人近い人間はその後も生き続けなければならない。その時に、はたしてどのようなシステムを構築することができるのか、それが問題だ。それを考えると、目先の政局がどうのとかチンケなことに思えてくる。

 「つまらない既成概念に惑わされないで、天地をひっくり返すくらい素敵な仕組みを作ってよ」

 谷村さんはそういうメッセージを放っていたのではあるまいか、と勝手に思いこんでいる。

(100325 第157 写真は対談の取材風景。左から、中田宏氏、谷村新司氏、少し距離をおいて多樂な私。撮影/森日出夫氏)

 

 

 

 

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