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紺碧の将

自治体経営の醍醐味

2010.08.31

 今年の4月から進めてきたムックがようやく完成した。

 題して『Leaders of Japan ニッポンを地方から洗濯致し候』。その名の通り、全国から選りすぐった10人の改革派首長の成功事例をまとめたもので、A4判 全128ページオールカラー、つまり、

 『Japanist』と同じボリュームである。

 このムックは、今秋の新宿区長選に立候補する山崎泰氏(会計事務所経営)がインタビュアーとなり、私が執筆・編集するという連係で進めてきた。制作ももちろん私が行った。大手出版社の人が聞いたら、あまりに非効率で呆れ返るかもしれないが、これが私のスタイルでもある。なるべく現場に関わるというのが私のやり方だ。

 ところで、この仕事はじつに多くのものを私にもたらしてくれた。なにより、全国の自治体経営のリアルな現状を肌で知ることができた。その真髄をひとことで表せば、「自治体経営も会社経営と同じ」。そうなのだ。総理大臣は社長の器でなくてもいいが、自治体の首長は社長のセンスと力量がなかったら務まらない。裏を返せば、社長の力量がない人を首長にかついでいる自治体は、早晩衰退の道を歩むことになるということ。

 これからは人も自治体も格差が広がる。この流れは、どんなに平等論を唱えようが変わることはない。頑張っている人(自治体)も頑張っていない人(自治体)も等しく文化的に暮らせるという社会はついに終わりを告げたのだ。そのことに気づいているかどうか、それが重要なことだと思う。そのことに気づかず(あるいは気づこうともせず)、今までのことが永遠に続くと思い込んでいる人はこれからますます生きづらい世の中になるだろう。

 くしくも名古屋市では河村市長が市議会のリコールを求めて住民からの署名集めに挑んでいる。1ヶ月以内に結果が出るはずだが、今まで「禁じ手」とされてきたことも今後はどんどんなされていくにちがいない。もちろん、私はその流れを歓迎している。思考停止のまま甘い汁を貪ることはもうできませんよ、という世の中になっていくことは悪いことではない。

 

 ところで、先ほど、ある店でランチをしたのだが、私の隣の席から突如、大きな音が聞こえたので振り向くと、携帯電話でテレビを見始めたところだった。歳の頃は30前後。サラリーマンの風体である。

 私の殺気を察知したのか音量を下げたが、それ以降もニヤニヤしながらテレビを見、食べ物にがっついていた。かつて高い教養に裏打ちされた、規律ある社会として世界から評価されていた日本の社会が、音をたてて壊れているのを感じないわけにはいかない。

(100831 第187回)

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