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紺碧の将

ゴチャ混ぜが魅力、博物学の殿堂

2020.01.07

 こんなにいいものをずっと見逃していた。東京駅丸ノ内南口前「KITTE」の2階・3階にある「インターメディアテク」。旧東京中央郵便局舎の内装を使い、東京大学所蔵の学術資料を展示している。日本郵便株式会社と東大総合研究博物館による、いわゆる産学協同である。

 インターメディアテクとは「間メディア実験所」という意味らしい。なるほど、従来の博物館であればジャンル別、年代別に整然と並べられているが、ここはひとことでいえば〝ゴチャ混ぜ〟。動植物の標本があるかと思えば、仏像や古代彫刻、古書、楽器、文明を変えた発明品、古代エジプトのサルコファガス(石棺)、帆船の模型などが同じ空間に同居している。フランスの国立ケ・ブランリー美術館との連携により、同美術館の収蔵品もある。展示品が収められているケースやキャビネットも年代ものが多く、鑑賞の対象になっている。じっくり鑑賞すれば、ほぼ一日を費やすことだろう。いったいここはどこ? いま、いつの時代? と自由にトリップできる。

 しかも入場無料! ほんとうにいいの? と心配になるくらい。

 考えてみれば、東大も日本郵便も国税が投入されている。それらが持つ知的遺産を国民に開放するのは、ある意味当然なのかも。

 歩きながら思った。選ばれた者とはいえ、こういった本物を見て、触れて学ぶことの特権を。

 館内は基本的に撮影禁止だから、魅力的な展示風景を紹介できない(ネットで検索すれば多数見られるが)。唯一、右上写真の部屋だけ撮影フリーである。なお、同室では毎月1回、蓄音機による音楽会も開催されている。

http://www.intermediatheque.jp/

 

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(200107 第960回)

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