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紺碧の将

人間の本性をあぶり出すウイルス禍

2020.04.24

 よもや自分が生きている間にこんなことが起こるとは……。そう思っている人も多いにちがいない。

 中国を発症源とした新型コロナウイルスの猛威が止まらない。一日も早く終息を願うばかりだが、冷静に身の回りや社会全体を観察すると、今回のウイルス禍があぶり出していることがたくさんあることに気づく。

 その最たるものは、それぞれの人が内に秘めていた本性が、はからずもあぶり出されてしまったということ。私の身の回りにもある。なるほど、彼は(彼女は)そういう人だったのか、と思うことが。

 自分も多大な影響を受けているのに、近しい人の苦境に居ても立っても居られず、奔走している人がいる反面、この困難な状況を絶好のビジネスチャンスととらえている人もいる。

 こういうことがあった。何度か会ったことのある経営コンサルタントの会社のメルマガだった。

 今回の事態に直面している中小零細企業の経営者を心配している。彼らを救うため、自分たちはなにができるのかを徹底的に話し合った。その結果、不安や苦悩を抱いている企業や、孤独を感じている経営者に寄り添い、支援することこそ自分たちができること。苦境を脱するための経営指導をし、資金調達のための情報提供をする、と。

「そうか、それはいいことだ。○○さんもいいこと考えるじゃないか」と思った。どちらかといえば、抜け目のない印象があったため、会っているとき、私の脳内の片隅で警戒信号を発していたが、あれは間違いだったと反省した。

 では、具体的にどういうことかと読み進めていると、コンサル料が2ヶ月で50万円だという。しかも、「この難局を乗り切るため、支払猶予の相談も可能」と書いてある。驚いた。資金繰りに困っているから寄り添うと言っているにもかかわらず、そういう人から高額のコンサル料をもらうと堂々と書いているのだ。

 人を愚弄するもいいかげんにしろ、と思った。

 世の中をなめきっている。腐っている。

 そうかと思えば、今回の新型ウイルスは大したことがない、みんな騒ぎすぎだと言う人もいる。そういうことを言うのは、早く経済活動が元に戻ってほしい人だ。これだけ世界中でバタバタと人が死んでいる。日本も気を許せば、あっという間にそういう状況になる。それが大したことがないわけがない。

 ふと、思った。そういう人は、本心から大切に思う人がいないのだろう。一人でもそういう人がいれば、そんなことは言わないはずだ。

 やはり「信長の原理」にあるように、人間もほかの生き物も、「2:6:2の法則」が生きているのだろうか。すなわち、率先して世の中のために先導する人が2割、定見がなく大勢になびく人が6割、箸にも棒にもかからない人が2割。

 コロナ禍が終息したあかつきは、さまざまなことが変わるだろう。

 

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(200424 第987回)

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