The first cut is the deepest.
ロッド・スチュワート
英国のロックアーティスト、ロッド・スチュワートの曲「さびしき丘」の原題。初めての心の傷がもっとも深いというような意味か。
多くの人が心に苦いものを抱えているだろう。若い頃の失恋の痛手を。この世の終わりのようにも思え、しばらく立ち直れなかったことが。
え? そんなことなかった? それは残念。失恋の痛手は、人を学ぶための最良のテキスト。それによって、人はけっして自分の思い通りにいかないということを学ぶ。
やがて耐性ができ、ちょっとの失恋では心が折れなくなる。それが〝大人〟になるということかもしれない。
この歌が発表された当時、直感的に「最初に(ケーキなどを)食べた人がもっとも多く食べられる」という意味だと解釈していた。日本の「残り物には福がある」とはずいぶん違うな、と。深読みというか浅はかというか、まったくの見当外れだったわけだが、案外、そういう意味が込められているのかも。
(200513 第1回)