All roads lead to Roma.
ラ・フォンティーヌの『寓話』より
すべての道はローマに通ず、と訳されている世界的に知られている言葉。1980年代に活躍した英国のニューウェイブ・バンド、ストラングラーズにも同名の曲があるし、映画のタイトルにもなっている。
ローマ帝国の隆盛を物語る言葉でもあるが、どのような真意を含んでいるのか。よく言われるのは、目的はひとつでもアプローチはたくさんあるということ。あるいは、どのような経路をたどっても、行き着く先はものごとの根源であるということ。筆者は後者に近い解釈をしている。
ものごとの根源とは、わかりやすく「母」と言ってもいい。さらに、母の母、人類を含めた生き物の根源である最初の母よりもっと前、この世の秩序を作った大本。それを儒学なら天、老荘思想なら道、キリスト教なら神と言うのだろう。もちろん、真理と言い換えてもいい。
ところで、日本からローマに至る道はない。やはり、「すべての道は富士山の頂上に通ず」の方がしっくりくるだろう。
(第8回 200617)
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