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紺碧の将

添加物に弱くなった男の話

2020.08.25

 はたしていいことなのか、そうでないのか。

 毎年夏、マンションの住人を対象に、ロビーで夏祭りがある。ただ集まって、飲み食いするだけなのだが、もちろん私は参加したことがない。

 今年はコロナ禍の影響で中止となり、そのかわり、各家庭に弁当が配られた。私は食べ物で贅沢を言わない方だが、強いていえば、作りたてだけは望む。作りたてはなんだって美味しい。だから自宅で食べることが多いし、外で食べるにしても作り置きをしているような店には行かない。

 そんな人間がひさしぶりに弁当を食べたわけだが、食後、異変が起きた。座っているのもつらいほど疲れを感じ、30分ほどベッドで横になったのだ。おそらく弁当に含まれている保存料などの添加物が影響したのにちがいない。もし、食中毒が発生したら大変なことになるから、保存料をたっぷり使うのはしかたがないと思うが、それにしても、である。

 ここ数年、体調が変わった。数年前、たまたまラクトアイスを食べたら体調が悪くなった。私はふだん、すこぶる体調がいいため、悪いときははっきりわかる。化学物質で〝それ風〟に作ったものを食べると、とたんに体調が悪くなるようになったのだ。ワインも少しなら問題ないが、ボトル半分以上飲むと翌日がこたえる。酸化防止剤が合わないのだろう。

 でも、ふと思った。化学添加物に慣れてしまい、気がついたら体が汚染され、重篤な病気を発生するよりはいいかもしれない、が、現在の食生活がこのあともずっと続くとは限らない。なんらかの事情で食糧危機になり、保存料がたっぷり入った食料が配給されることだってありえる。あるいは、なんらかの事情で今のように妻が毎日作れなくなるかもしれない。

 思えば、15年ほど前から酸化した油は食べた直後にわかるようになった。添加物がたくさん入った食べ物は、なんとなく不自然な味がすることもわかった。でも、面白いことに、ときどき体がそういうジャンクなものを求めることがあった。すると、十数分後、一気にくだす。たぶん、あれはデトックスだったのだ。最近はジャンクなものを食べたいと思うこともほとんどない。ということは、デトックスする必要がないからか。

 私は過度に清潔にし過ぎると抵抗力が落ちると思い、抗菌グッズなどは避けている人間だ。手洗いもほどほどにしている。その寸法で言えば、食生活に関しても清濁併せ呑む必要があるのかもしれない。

 とはいえ、わざわざ添加物だらけの食べ物を積極的に摂り入れる必要もないしなあ……と、判断に悩むところである。

 

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(200825  第1017回)

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