雨の洞爺湖再訪
函館から車を使って日帰りで行けるところ。そういう基準で選んだところが、洞爺湖だった。15年くらい前、家族で行ったことがある。〝犯人は犯行現場に戻る〟ではないが、もう一度見てみたいと思い、高速道路を北上した。
朝から雨が降っていたが、やがてバケツを引っくり返したような土砂降りに見舞われた。視界が悪いうえ、音楽が聞こえないほど轟音が響いてくる。道路の水たまりにハンドルをとられる。そういう状況で約150キロ走り、洞爺湖まで行っても、車の外に出られるわけではない。引き返そうかと思ったが、「えーい! ままよ」と気合を入れて進んだ。
結果を書こう(もったいぶっている)。ずっと土砂降りだっのに、洞爺湖近辺だけ陽の光が差していたのだ。男体山に登ったときもそうだが、私は天気に恵まれることが多い。おそらく、偶然のできごとが重なっているだけだと思うが、こういうことが何度も続くと、いろいろと良きに解釈したくなるものだ。
今年の3月、京都に嫁いだ娘も含め、3人いっしょに雨上がりの湖畔を歩き、湖を眺めながらなら並んで足湯に浸かった。
10年後、20年後、思い返したら、案外美しい光景として脳裏に現れるのかもしれない。
桟橋
旧庁舎を活用した洞爺湖芸術館
洞爺湖の湖畔に立つ「いのちの樹」(ポプラ)。定期船が通っていた時代は、灯台の役割を果たしたのだとか。樹齢120年、
幹周りは7メートル近くある。
洞爺湖の湖畔に立つ、与謝野晶子の歌碑
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(2009018 第1023回)