Ask not what your country can do for you, ask what you can do for your country.
アメリカ合衆国の第35 代合衆国大統領になったジョン・F・ケネディの演説と言えば、1863年11月19日、ペンシルベニア州ゲティスバーグにある国立戦没者墓地の奉献式において行った、いわゆるゲティスバーグ演説が最も知られている。そのなかでケネディは「Government of the people, by the people, for the people.」と聴衆に呼びかけた。
もうひとつ忘れてはならないのは、1961 年1月20 日、ワシントンDC の連邦議会議事堂の石段で就任演説を行った演説だ。内容は、主に共産主義の脅威に備えて自由を旨とする諸勢力を支援するアメリカの決意を示したもので、国民に利益を約束する内容ではない。そのような演説が圧倒的な支持を受けるというのもお国柄の違いなのだろうか。
ケネディは、自らを「新しい世代」の一員とみなし、同世代の人々に対して、より良い世の中に向かって働くよう呼びかけた。
「国があなたのために何ができるかを問うのではなく、あなたがあなたの国のために何ができるのかを問うてほしい」
国民に責任感のともなった自立を促した演説は、いまなお輝きを失っていない。と同時に、それがいかに困難なことかも歴史が証明している。
(第22回 200921)
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