多樂スパイス
HOME > Chinoma > ブログ【多樂スパイス】 > 安土城天主を原寸大で復元

ADVERTISING

私たちについて
紺碧の将

安土城天主を原寸大で復元

2021.02.22

 前回、安土城跡のことを書いたが、そこから自転車で5分くらいのところに「信長の館」がある。その名の通り、信長の館=安土城の天主を復元したものが建物内部に収められている。

 元になったものは、1992年のスペイン・セビリヤ万博の日本館のメイン展示として作られた安土城天主の最上階5階6階である。同展示物は内部の障壁画とともに原寸大で忠実に復元され、博覧会期間中、最も入場者が多かったという。

 万博終了後、その天主を旧安土町が譲り受け、解体移築し、新たに5階部分に、発掘された瓦をもとに焼き上げから再現した庇屋根や「天人影向図」、6階部分に金箔10万枚を使用した外壁、金箔の鯱(しゃちほこ)を載せた大屋根が取り付けられている。内部には、狩野永徳らが描いた「金碧障壁画」も再現されている。

 

 とにかく、驚きの連続である。復元とはいえ、リアリティーはじゅうぶん。その場に信長が居合わせているかのような錯覚を覚える。

 さらに興味深いのは、徳川家康をもてなしたときの料理が再現されていること。この饗応役は明智光秀が指名され、光秀は贅と財を尽くしたが、信長にけなされ、途中で役を解かれることになった。そのときの遺恨がのちに反旗を翻す理由のひとつになったとみる歴史家も多い。

 また、VR(ヴァーチャル・リアリティ)を用いて、当時の安土城を描いたショートムービーも面白い。外国人宣教師ルイス・フロイスや鷹の視線で安土城を眺める設定がユニークだ。

 信長の館、これは必見のスポット。会社や学校を休んでも行く価値がある。

 

天主の威容。復元に使われた金箔は10万枚

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5階「黄金の間」。仏教の世界観を表しているという

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6階。障壁画も再現

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家康をもてなした際の料理の一部

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金の鯱がついた大屋根

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宣教師が描いたと言われる信長像(天童市三宝寺蔵)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安土の山

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(210222 第1059回)

 

●知的好奇心の高い人のためのサイト「Chinoma」10コンテンツ配信中

 

本サイトの髙久の連載記事

◆音楽を食べて大きくなった

◆海の向こうのイケてる言葉

◆うーにゃん先生の心のマッサージ

◆死ぬまでに読むべき300冊の本

◆偉大な日本人列伝

 

髙久の著作

●『葉っぱは見えるが根っこは見えない』

【記事一覧に戻る】

ADVERTISING

メンターとしての中国古典(電子書籍)

Recommend Contents

このページのトップへ