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紺碧の将

本が主役の角川武蔵野ミュージアム

2021.03.08

 所沢市にユニークなミュージアムができた。その名も角川武蔵野ミュージアム。妙な形をした5階建てのビルが、丸ごと本とアートとアニメで埋め尽くされている。

 蔦屋書店も本を主役にした店舗づくりをしているが、このミュージアムはスケールがちがう。もちろん、ミュージアムと冠しているわけだから、書店ではなく入場料の必要な展示場である。

 1階/グランド・ギャラリーとマンガ・ラノベ図書館

 2階/カフェとロックミュージアムショップ

 3階/EJアニメミュージアム

 4階/エディットタウン―ブックストリート、荒俣ワンダー秘宝館、アートギャラリー

 4〜5階/本棚劇場

 という構成だ。

 アニメに詳しくない私は知らなかったが、所沢はアニメの聖地だという。アニメのコーナーはさほど興味がないため、4〜5階へ行く(ネットで事前購入。1400円。全館は3400円)。

 本館の館長であり、図書部門のディレクターでもある松岡正剛氏の驚異的な知見と教養がいかんなく発揮されている。蔵書は約3万冊。本館をつくるために新たに購入したのではなく、松岡正剛氏はじめ関係者から寄贈されたようだ。入り口近くのサインに「他人の蔵書は覗いてみたくなるものです」とあるが、まさに同感。私も人の自宅を訪れると、まっさきに見るのは、蔵書だ。「住まいに本がないのは、自分がバカだと言っているのと同じだ」というようなことを誰かが言っていたが、ここはスケールの大きな〝他人の家〟。見ているだけでワクワクする。

 通常の公立図書館は、蔵書が半分死んでいるが、ここでは本たちが生き生きしている。こうまで大切にされたら、だれだって嬉しくなるだろう。主人公になって、誇らしくもあるようだ。

 なぜかと考えると、松岡氏が一冊一冊に愛着をもち、置き方・見せ方を工夫しているからにちがいない。それこそ本の編集だ。

 建築デザインは、隈研吾氏。隈氏は自然の素材を巧みに用いるが、今回は石を使っている。

「あの空間は、まさに宇宙。建物そのものが隕石だし、無数の星々が時空を超えて集結したって感じ。まだ世界が無だったころの、混沌からビッグバンが起こる前触れのような。あの宇宙船に乗って、どこか別の惑星に飛んでいけたら楽しいだろうなあ」とは知人の弁。

 角川武蔵野ミュージアムの隣には、「ところざわサクラタウン」という巨大な施設があり、「ダ・ヴィンチ」の書店やら埼玉の郷土ショップやアニメホテルや飲食店が入っている。特に、郷土ショップは「翔んで埼玉」を展開したような自虐ネタ商品がたくさん。いやはや埼玉県人はたくましい。底力を見た思いだ。

 

一見ゴチャゴチャ。しかし、本が交互に連関して磁力を発している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コーナーごとのディスプレイも秀逸

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

壮観! 吹き抜けの本棚劇場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

埼玉の郷土を紹介するコーナー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

併設するギャラリーでは、「米谷健+ジュリア」展を開催中

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(210308 第1061回)

 

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