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紺碧の将

寒い、寒い

2011.07.05

 いよいよ夏本番。暑さに強い髙久が本領を発揮する季節になった。

 とはいうものの、前回のブログは蒸し暑さが倍増するような熱い写真を掲載してしまった。衷心よりお詫び申し上げる。今回は罪滅ぼしに、見ただけで寒くなりそうな写真をお届けしたい。

 万年雪を被っているシャモニーである。

 

 2003年7月、リヨン郊外にあるミヨネーで故アラン・シャペルの直弟子であるフィリップ・ジュス氏とレストランのメートル・ド・テルを務めていたエルヴェ・ドゥロンジエ氏にインタビューした後、アネシーを経て訪れたのであった。

 と書くと、いかにも私がフランス語ペラペラのような印象を抱くかもしれないが、フランス語で覚えているのは、スィ、アンドゥトワ、シルヴプレ、オーヴォワ、メルシー、ハダジュヴァン・ナガジュヴァン・アザブジュヴァンくらいなものである。両氏の話は通訳を介さなければ、まったくわからないのであった。

 それはそれとして、シャモニーの山々はじつに寒々としていた。急角度のロープウェーに乗り、一気に山頂付近に登ったのはいいが、夏だというのにあたりは雪ばかり。急転する風景の妙に思いがけず感動した。今までにスキーは一度しか経験がない。初回にもかかわらずそこそこ滑れたけれど(午前中に上級クラスのてっぺんまで上がり、そこから降りてきた。はじめの10分間くらい、集中して転ぶことを覚えたら、その後は一度も転ばなかった。案外私は運動神経がいいかも )。それにしても頂上の樹氷が美しかった。

 では、なぜ、ウィンタースポーツが苦手なのだろう。答えはわかりきっている。寒い日の朝早く起きるのは、よほど差し迫った事情がない限り、不可能なのである。

 と書いてから、先が続かない。どうも、寒い光景をイメージすると文章が湧いてこない脳の構造になっているらしい。

 思えば、暑いのは平気で、数年前までは真夏の真っ昼間、100メートル走のインターバルを何本もやって楽しんでいた。汗が華厳の滝のように流れ、その後に飲むキリリと冷えたビールは極上のご馳走となった。さすがに五十路の今となっては熱中症になってそのまま救急車で搬送となる可能性もあるので控えているが……。

 ということで、読者の皆さんは良識ある方ばかりだと思うので心配はしていないが、くれぐれも真夏のインターバルトレーニングは控えていただけるようお願いいたします。

(110705 第263回 写真はシャモニーの山)

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