欲しい物がなくて困った
前々から思っていたことだが、いよいよ極まった感がある。
あれこれ思い浮かべてみても、欲しい物がないのだ。
クルマを手放して数年。今ではまったく必要性を感じないから、欲しいクルマもない。愛着のある衣類は捨てられないたちで、今やクローゼットはギューギュー状態。1枚のセーターを買うにも、総合的に吟味し、どうしても必要と思えなければ買わない。
美術品も欲しいと思わなくなった。強いていえば、リビングに現代画が1枚欲しいところだが、これと決めた物があるわけではないし、あまり高い物に手を出そうとも思わない。
本もしばらく読めるほど未読の物がある。
若い頃は、「○○が欲しい」という願望が、仕事の原動力ともなった。しかし、もう欲しい物がないのだ。これは老いの兆しなのだろうか。
であれば、仕事のペースを落としてもいいようなものだが、そうしたいとも思わない。今、2つのテーマで原稿を執筆しているが、毎日原稿用紙換算で15枚ほど書き続けている。その合間に、このChinomaの連載コラム4本を書き、自分が担当する広告の企画やデザインもこなしている。経理業務も自分でやっている。
私の生活は、ほぼ完全にルーティン化している。週末もウイークデーもゴールデンウイークも年末年始も関係ない。機械じかけのように、同じリズムで動いているのだ。
さて、これから欲しい物はできるのだろうか。
ただし、欲しい物がない代わりに、したいことはわんさかある。だから、気力・体力がみなぎっているのかも。
(220207 第1114回)
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