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紺碧の将

生き返ったポトス

2011.11.20

 前回に続き、植物の話を。

 植物がさまざまなことを感知しているということは以前この欄で書いた。人間の感情にも敏感に反応する、と。

 宇都宮にあるコンパス・ポイントの私の机の前に、ひとつのポトスがあった。ところが、私の出社する日数が大幅に減るにつれて、うちひしがれたような姿になってしまった。その時の姿は、このページを下にスクロールすると見ることができる(それが右写真)。今年4月は、明らかに病的であったことがわかるだろう。

 理由はわからない。ただ単に、病気にかかったのかもしれないし、環境が悪かったのかもしれない。ただ、日に日に衰弱してきたのは明らかだった。

 そこで、4月のある日、そのポトスを新宿御苑前の私の根城に運んだ。生き返ってほしいと願いをこめて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから半年後の姿が右の写真である。

 どお? 別人のようでしょう。しかし、まぎれもなく、半年前には力なくうなだれていたあのポトス本人である。

 どうしてこんなに元気になったのか、正確なところはわからない。環境がそうさせたのか、あるいはたまたま元気になる時期だったのか。あるいは、「よっ、元気か?」とか「最近、肌つやがいいね」などと声をかけていたからかもしれない。

 しかし、私には確信がある。地球という生命体に唯一つながっているのは植物。他の動物は皆、植物に助けられて生きている。その植物たちとコミュニケーションがとれないはずがない。

 それが、気のせいであってもいい。事実かどうかなんてことは、どうだっていいのである。事実を凌駕する思い込みがあってもいい。

(111120 第297回)

 

 

 

 

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