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紺碧の将

どっちもどっち

2012.01.25

 ふだん、都内にいるときは新聞を読まないしテレビも見ない。ネットニュースだけで事足りる。宇都宮の自宅に戻ったとき、まとめて新聞を読むが、「あ、これはネットで読んだ」というものが大半で、情報の鮮度が重要な新聞にとって、これからは大変だろうなあと思わざるをえない(本や雑誌はもっと大変なのだが……)。

 先日、新聞の地方版を読んでいたら、「振り込め詐欺 395万円被害」という見出しが出ていたので、いまだにひっかかる奇特な人がいるのかと興味をもって読んだ。記事の内容を一部、抜粋する。

——○○署は20日、○○市の女性(61)が395万円をだまし取られる振り込め詐欺被害に遭ったと発表した。

 発表によると、16日午後9時頃、女性方に次男を名乗る男から「へんとうが腫れ声が変わった。携帯を水にぬらし会社の携帯を使うことになった」「株を買うために会社の金を400万円使い上司にばれた。金を返せばクビにならないですむ」などと電話があった。20日までに電話が約20回あり、女性は17〜20日、5回にわたり、指定された銀行や信用金庫など3か所口座に計395万円を振り込んだ。20日、同市内で別居する次男に確認したところ、被害が発覚した。

 

 とある。

 どっちもどっちだ、というのが偽らざる気持ちだ(私が公人なら、これだけでマスコミに叩かれる)。正直な気持ち、こういう大人が増えたから振り込み詐欺をする若者が増えたのではないかと思っている。会社の金を400万円も使い込んだ孫の尻ぬぐいをするということは、犯罪に加担しているということだ。本来であれば、きちんと説諭するかきつく叱るか殴る蹴るをするか警察に突き出すか親類の縁を切るかのどれかをしなければならないはず。しかし、その女性は最悪の方法を選んでしまった。

 最新の『Japanist』(第12号)で柳生博氏がいみじくも語っている。これからは老人の役割が重要だ、と。

 前述のような手口の振り込め詐欺に遭う大人が減らない限り、世の中はよくなりそうもない。こう書くと、振り込め詐欺の犯人を擁護していると受け取られかねないが、そうではない。「どっちもどっちだ」と言いたいのである。

(120125 第313回 写真は新宿御苑の冬のプラタナス並木。人間もかくありたいものだ)

 

 

 

 

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