多樂スパイス

ADVERTISING

私たちについて
紺碧の将

区切り

2022.12.05

 1年中、ほぼ同じリズムで生活している、ということは小欄でもたびたび書いている。千日回峰行を2回も成し遂げてしまった比叡山延暦寺の酒井雄哉さんは「健康でいられるのは、毎日毎日、同じように暮らしているから」とおっしゃっているが、その意味はよ〜くわかる。私も週末、GW、お盆、年末年始……というような感覚が希薄で、出張や旅行以外は、判で押したように同じことを繰り返している。見ようによってはメリハリのない人間の典型だろう。

 ただ、他のことでメリハリというか、1ヶ月単位と1年単位で区切りをつけている。

 まずは会社の月次レポート。もちろん、簡単なものだが、会計事務所から報告が上がってくるのを見ると、どうしても区切りとして意識してしまう。

 もうひとつは、毎月の自分宛てレポート。前月を振り返り、どんな学びをしたか、どんな変化があったかなどをレポートにまとめる。だれに見せるわけでもない。強いて言えば、自分と神様に、である。これをずっと続けていると、自分という人間がどのように変わってきたのか、あるいは、これからどうすればいいのかが見えてくるような気がする。それを狙ってやっているのではないが、これは私にとって大切な習慣である。

 1年単位の方は、会社の決算と自分の個人的な10大ニュースを決めること。私が経営する株式会社コンパス・ポイントは9月決算であり、黒字でも赤字でも11月末までに納税する義務がある。この納税を済ませると、大きく一息つき、安堵に包まれる。先日も、36回目の決算を終え、納税を済ませた。

 法人は社会の公器である以上、納税は義務だ。存在しているだけで、社会の恩恵を受けている。だからこそ、11月は大きな区切りなのである。

 そして、年末の少し前に1年を振り返り、その年の10大ニュースを決める。これは30歳くらいから続けているのだが、なぜか2009年以前のデータを消失してしまった。2010年以降のデータを見るだけで自分という人間の変遷がわかる。

 今、私は陸上のトラックで言えば、第4コーナーを曲がったあたり。ゴールまでのバックストレートを走っている。

 実はこのトラックはバックストレートが異様に長い、歪な形をしている。場合によっては、ゴールが見えないほど長いこともある。

 ゴールまでになにをしたいのか。それがわかっていることも幸せの条件のひとつだと思う。

(221205 第1157回)

 

髙久の最新の電子書籍

『禅ねこうーにゃんのちょっとした助言』

『焚き火と夕焼け エアロコンセプト 菅野敬一、かく語りき』

『魂の伝承 アラン・シャペルの弟子たち』

『葉っぱは見えるが根っこは見えない』

『偉大な日本人列伝』

『本物の真髄』

 

本サイトの髙久の連載記事

◆音楽を食べて大きくなった

◆海の向こうのイケてる言葉

◆死ぬまでに読むべき300冊の本

【記事一覧に戻る】

ADVERTISING

メンターとしての中国古典(電子書籍)

Recommend Contents

このページのトップへ