平時の顔、戦時の顔
広島で開催されていたG7サミットが閉幕した。
ゼレンスキー大統領が急遽参加したことにはとても驚かされた。それを実現させるために多くの人の努力があったと思うが、まずはねぎらいたい。
各国首脳とゼレンスキー氏が一堂に集まって撮影されたショットを見て、しみじみ思った。
「顔がぜんぜん違う!」
ひとことで言えば、平時の顔と戦時の顔。もちろん、各国首脳が前者でゼレンスキー氏が後者。岸田首相はホストということもあって緊張感のある表情をしていたが、他は物見遊山というか温泉にでも浸かりに行こうかという余裕綽々の顔だ。ま、G7は首脳外交の場でもあるわけだから、それも仕方がないとは思うが。
それにしても、忌むべき戦争によっていい顔になるなんて、皮肉にもほどがある。ゼレンスキーさん、コメディアンのときよりずっといい顔をしている。
戦乱は人物をつくる、ということか。考えてみれば、日本史だって、戦国時代と幕末〜明治初期に百花繚乱のごとく傑物が現れた。さまざまな科学技術が進歩し、驚くことに人口も増えた。危機感によって生命力が高まったのにちがいない。
とはいえ、平和の方がいいのは当然。ある意味、平和の代償は、人間の劣化でもあるのかなと変な結論を導き出している。理屈はともかく、戦争が早く終わることを切に願う。
岸田さんは実務能力の高さを示した。なかなかのホストぶりだったと思う。惜しむらくは、歩くときの姿勢。体幹がブレブレで、もうちょっとどうにかならないのかなといつも思う。スタイリストはついていないのかな。
(220522 第1180回)
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