戸隠の気韻
前回に続き、気韻の話。
昨年夏、長野市の飯綱山に登ったとき、次回は戸隠山に登りたいと思っていた。飯綱山のすぐ近くにあるのだが、なんといっても「忍者の山」というイメージに惹かれた。ところが、戸隠山は上級者向けで、生半可な気持ちでは登れないということがわかった。
今さら登山で命を落としたくはない。ということで、戸隠神社をはじめ、そのエリアを周遊することにした。一足先にこの地を訪れた友人の勧めもあり、「早く行きたい」という気持ちが高まっていた。
はじめに目指したのは、奥社である。参道入口に車を停め、そこから片道2キロ、森の中の参道を歩いて行く。
まず人の多さにびっくり。下界はうだるような暑さだが、戸隠はすでに秋の風情。空気もひんやりしている。
森の中の参道を歩きながら、なぜこんなにも心身が悦んでいるのだろうと考えずにはいられなかった。道の両側にそびえる大木の根は互いにからまり、養分を与え合っているようにも太い幹を支え合っているようにも見える。
先へ進むにつれ、気韻の濃度が増してくる(と感じる)。
約40分で奥社に到着。霧雨が降っていて、晩秋の寒さである。
戸隠神社の祭神は、天岩戸神話にからむ神々。古代カミ信仰の厳かさがそこかしこに漂っている。
驚いたのは、御朱印をもらうために並ぶ人がたくさんいたこと。冷たい霧雨をものともせず、長時間並んでいるのを見て、「これぞこの神社と森の気韻の力!」と感じた。
戸隠神社は奥社をはじめ、中社、宝光社など5社で成り立っているが、いずれも神聖な空気が漂っている。
戸隠、断然、お薦めです。
森の中の参道
随神門。屋根の草が一服の絵になっている
からみあう根っこ
奥社付近の森。ここが登山口
宝光社の長い階段
(2201008 第1194回)
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